3 学科からのコメント

 

関西大学工学部生物工学科・教養生物教室

外部評価審査の総括

 

平成14年11月4日実施

関西大学工学部生物工学科

 学科長 吉田宗弘

 

1.出席者

 外部評価審査委員:

   千畑一郎(田辺製薬相談役名誉会長)

   藤多哲朗(生産開発科学研究所顧問、京都大学名誉教授

   山田秀明(バイオインダストリー協会会長、京都大学名誉教授)

 生物工学科教員:

   細胞工学研究室:大嶋泰治、安原裕紀

   微生物工学研究室:小幡 斉(工学部長)、河原秀久

   生物制御工学研究室:土戸哲明

   生体分子工学研究室:左右田健次、老川典夫

   医薬品工学研究室:上里新一(外部評価委員)、長岡康夫

   食品工学研究室:吉田宗弘(学科長)

   生物化学工学研究室:矢木秀治

   生物情報工学研究室:長谷川喜衛

   生物反応工学研究室:山出和弘

   教養生物学教室:池内俊彦、下家浩二

 

2.審査委員の指摘

1)教育と研究

 教育と研究の両面にわたって、国立大学のレプリカではない、関西大学生物工学科としての特色を打ち出すことが必要である。

 教育面では、基礎学力・知識を確保するための最低基準の設置、世の中の変化に対応できる企業の即戦力となるべき人材の養成、一般教養を広めるための教育、バイオ関連の弁理士の養成を念頭に置いた法学部との連携教育、などをもとめる。

 研究面においては、大学の掲げる「学の実化」の理念に沿って、私学にしかできない自由度の高いテーマを選択し、京大や阪大などが取り上げない特色ある研究をすすめるのが望ましい。またCOEにトライするのであれば他学科との連携が絶対に必要である。

 

2)広報活動

 卒業生の就職先が生物工学を生かせないところが多いことの原因として、学科の存在、内容、特色などに関しての広報活動の不足があげられる。したがって、教育理念とカリキュラム、および研究活動についての系統的かつ継続的な広報活動が必要である。

 

3)設備・予算・人事

 予算に関しては、工学部をもつ以上はそれなりの経費がかかることを法人に理解させる必要がある。

 人事規程に関しては、助手3年、講師3年、助教授7年という年限に関する内規を撤廃が必要である。また女性の登用も必要である。

 これらの事項は学科単独では解決できないことであるが、手を拱いているのではなく、法人側に訴える努力を継続しなければならない。たとえば副学長などの大学上層部へ工学部から人材をおくるなどの工作も必要である。

 設備については、現有設備の有効活用のために他学科が所有する設備の共同利用システムをつくることが必要である。

 

3.指摘に対する生物工学科の回答と対応

1)教育と研究

 教育に関しては、現在、カリキュラムの大幅改訂のための作業を行っている。

 研究に関しては、現在学科全体で取り組んでいるテーマが存在しないことを反省し、本学科の所属教員の出身学部が多岐にわたっていることをいかして、共通の対象に様々な角度からアプローチを試みる方向で、学科共通の特色ある研究テーマを構築することを検討する。

 

2)広報活動

 学科紹介のパンフレットを作成し、本年度から企業、および高校へ教員が実際に出向いて広報活動を開始している。

 

3)設備・予算・人事

 大学への働きかけに関しては、ややあきらめに似た状況であったことを反省し、積極的な取り組みを今後は実行する。