有機系実験廃液取扱要領



T有機系廃液が発生したらどうするのか?

1事前にやっておくべきこと

(1)発生する有機系廃液を予測して、分類表に基づいた収集容器を各研究室実験・実習場で準備しておく。

(2)分類表に従って分別収集を徹底して行う。

(3)廃液のpHを測定する。

ドラム缶に分類別に混合して倉庫に一時保管する。混合時の発熱や有毒ガスの発生及びドラム缶の腐食を防ぐため、分別収集した各有機系廃液のpHpH試験紙で測定し、68に調整する。ドラム缶は再利用するので大切に扱うこと。

反応性の高い物質を含む場合はそれらを完全に分解し、安定な化合物に変換した後に倉庫に搬入する。

(4)搬入日の一週間前までに処理依頼伝票を第二実験棟コントロール室(内線5741)に提出する。

2有機系廃液を倉庫に搬入するときはどうするのか?

(1)収集容器に前項と同様の処理依頼伝票を付けて搬入する。

(2)搬入日時は原則として次のとおりとする。

可燃性及び難燃性廃液:毎月第4金曜日(10時〜)

ただし、祝祭日及び休業日の場合は第4学舎2号館研究棟掲示板及び第二実験棟コントロール室に搬入日の変更を掲示する。

(3)搬入場所

可燃性・難燃性廃液(分類IaIdIIaIIe):第二実験棟裏(名神高速道路側)の危険物倉庫


U有機系実験廃液の分類別収集について

1有機系実験廃液の分類

下表の分類表に従って各研究室及び実験・実習場で適当な容器に分別収集すること。

有機系実験廃液の分類について

表 有機系実験廃液の分類
分類 該当品目






Ia

一般有機廃溶媒*

酢酸エチル、アセトン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、アルコール、灯油等

Ib

ハロゲン化物*

少量のハロゲン化物を含む一般有機廃溶媒

Ic

動植物油

大豆油、ごま油等

Id

鉱物油

機械油、切削油、真空ポンプ油等












IIa

有機物を含む水溶液*

有機酸塩、アルコール、低級アミン塩、フェノール等の水溶液及び一般有機溶媒を少量含む水溶液

IIb

現像液

現像液

IIc

定着液

定着液

IId

含ハロゲン化物

クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭素テトラクロルエタン、トリクロエタン、トリクロロエチレン等、及びこれらを高濃度で含有する一般有機溶媒との混合物(但し、PCB等の有害物質を除く)

IIe

シリコン油

シリコン油

*混合により発熱や有毒ガスの発生等を起こす物質が含まれている場合は、個別貯留するので依頼伝票に明記すること



V有機系実験室廃液の倉庫への搬入について

倉庫に搬入した実験廃液は備え付けのドラム缶(ケミカルコーティング缶)かポリ容器に分類別に従い分別貯留する。

同分類廃液はドラム缶に混合して貯留する。異分類廃液の混合によって有毒ガスの発生、発熱などで思わぬ危険を生ずることも考えられるので必ず内容物名を正確に記入し、溶液のpHが6〜8である事を確認して搬入すること。同分類廃液との混合により有毒ガスの発生、発熱等を起こす物質が含まれている廃液はポリ容器に個別貯留するので処理伝票に明記すること。

(1)一般有機溶媒及びハロゲン化物を含む一般有機溶媒は有機系実験廃液の分類表に基づき区分し、危険物倉庫のドラム缶に混合貯留するか、ポリ容器に個別貯留する。

(2)動植物及び鉱物油は有機系実験廃液の分類表に基づき区分し、危険物倉庫のドラム缶に混合貯留する。

(3)現像液及び定着液は有機系実験廃液の分類表に基づき区分し、一般倉庫のドラム缶に混合貯留する。

(4)含有機物の水溶液は一般倉庫のドラム缶に混合貯留するか、ポリ容器に個別貯留する。

(5)ハロゲン化物及びシリコン油は有機系実験廃液の分類表に基づき区分し、一般倉庫のポリ容器に混合貯留する。ハロゲン化物の処理は煩雑なため極力他の溶媒を混入しないこと。


有毒有害物質(有機水銀、シアン化物、ニッケルカルボニル等)

発火性物質 (金属ナトリウム、カリウム、リチウム等)

爆発性物質 (過酸化物、ピクリン酸、有機アジド等)

を含む廃液の搬入は受付できない。

(日本化学会防災委員会編、防災指針参照)

W倉庫に搬入した後はどうするのか?

1収集容器の返却

搬入時に使用した容器は全て返却するので、必ず持ち帰ること。

2ポリ容器の内容物を石油缶に詰め替える。

ポリ容器に個別貯留した研究室及び実験・実習場の責任者は業者処理依頼日の前日に、各自が用意した石油缶に内容物を詰め替えること。

(ポリ容器は再利用するので、大事に扱うこと。)